最近コロナのせいで美容室に行けなくて、ホームカラーをしていたというお客様の施術をするようになりました。
一見わかりにくいですが、ホームカラーをした後のお客様はとても傷んでいます!
なぜそこまで傷んでしまうのか、、、
市販のカラーと美容室のカラー、何が違うのでしょうか。
目次
薬剤の違い
アルカリ剤の違い
アルカリ剤はキューティクルを開き髪を脱色するものです。
そのアルカリ剤には揮発性(液体の蒸発しやすい性質を表し常温での蒸発しやすい性質)と、不揮発性(気化しにくい性質)に分かれます。
市販に使われるアルカリ剤は不揮発性のもの、美容室で使われるのは揮発性のものです。
アルカリ剤が揮発せずに髪に残るとダメージの原因になります。
ところが、通常のカラーやパーマなどでアルカリ性成分が付着し、髪のpHがアルカリ性の状態が続くと、髪は外からの刺激に対して弱くなり、ダメージを受けやすくなります。
美容室では残留アルカリの除去ができる薬剤もありますが、ご自宅では難しいです。
過酸化水素の違い
過酸化水素は脱色、発色をする成分です。
市販でも2剤と書かれた液体の方です。
美容室では1.5%、3%、4%、6%と色んな濃度が使われています。
髪を明るく脱色し、発色させようとすると、濃い濃度を使うことになります。
健康な黒髪には高濃度、色を入れる時などは低濃度と分けて使います。
市販のカラー剤は6%の高濃度のみです。
明るくダメージがひどい部分でもこの高濃度な過酸化水素を使うことになります!
このように素人でも染められるように薬剤を調整してあるのが市販のカラーです。
塗り方、テクニックの違い
市販のカラーで、根本だけ明るくしたり、白髪が生えてきた部分にだけカラーを入れようとしても、気がつかないうちに元々染まっている部分に塗ってしまいます。
濃度の濃い強いカラー剤で概染部(色落ちした毛先の部分など)に何度も塗ってしまうと髪は傷んでしまいます。
一方美容室では健康な1度も染めていない部分と、前回染めた明るい色落ちした部分、ダメージの具合を判断して薬剤を作り、塗り分けます。
そうすることで髪へのダメージを最小限に抑えているのです。
また、最近の市販のカラー剤は、全体や毛先までなじむように塗ることができる泡カラーが主流です。
泡系のカラー剤は界面活性剤(水と油のように混じり合わないものを、混ぜ合わせるのに役に立ち、汚れを落とす洗浄の働きなどに使われる)が入っていて、泡立つようになっています。
界面活性剤のおかげで、髪に吸収しやすく塗りやすいですが、そのぶん髪が傷みやすくなっています。
デザイン、色、ケアの違い
最近流行のグラデーションカラーや、メッシュ、インナーカラーをしようとしても、なかなか自分では難しいです。
ブリーチなども、美容室では2液の量を変えたり、ケアブリーチなど、トリートメント成分を足したりしてブリーチ剤を作ります。
事前に直接トリートメントを塗ってから施術をしたりもします。
その後上に重ねる色も1ヶ月後のことを考えて、カラー剤を作り、色が落ちにくいようにケアの仕方やアドバイスをします。
それをすることで格段に仕上がりと1ヶ月後の色味、ダメージ具合が変わります。
市販のカラーと美容室カラー、メリット、デメリット
市販のカラー剤は悪いことばかりではありません!メリット、デメリットを理解した上で判断しましょう。
市販のカラーメリット
市販のカラー剤は価格が安い!500円〜1000円程です。
美容室だとその10倍は高い場合があります。
すぐに染めることができるのも嬉しいポイントです。
明日予定があるけど、今美容室やってないなーって時でもすぐに染められます。
そして、時間の拘束がない!カラーをしている間に他のこともできます。
美容室だと1~2時間拘束されます。じっとしてるのイヤだからと市販のカラーでされる方も多いです。
市販のカラーデメリット
まず、傷みます。
素人でも簡単にできるように薬剤が強いので、髪、頭皮へのダメージが大きいです。
自分で後ろや根本だけ染めるのは難しいので、色むらになりやすく色落ちも早いです。
カラー剤の種類が少なく、理想の色になりにくいです。
インナーカラーなどの塗分けも自分ではなかなか難しいですね。
染めた後に再度カラーやパーマをしようと思っても、髪が傷みすぎてパーマがかからない、だれる、艶のあるストレートがかからないなど、思い通りにできない場合があります。
その結果市販のカラーで失敗して、美容室で結局直すというお客様は非常に多いです。
直しても傷んでしまった部分は色落ちが早かったりパサつきやすいので手入れが難しいです。
洗面台、お風呂場も汚れて、顔や目に入りやすく危険です。
美容室カラーメリット
色の種類が多いです。
お客様それぞれの残留色素(色素が残っている状態)や元の色味によって判断し、いろんな色を混ぜて色をつくるので、市販のカラー剤では出せない色が出ます。
ダメージ部分にトリートメントをつけてケアします。
染まりやすい部分などを判断して、薬剤を調合します。
頭皮の保護剤など頭皮にダメージを与えないようにカバーします。
また、ムラなく均一にカラー剤を塗布できます。
もちろん傷みがある部分と健康な部分とわけて塗布するので、ダメージが少ないです。
最後にはシャンプー、トリートメントなど、アフターケアのアドバイスをして色持ちや質感をよくします。
ダメージが少ないので家に帰ってからの手入れが楽なのも嬉しいですね!
美容室カラーデメリット
拘束時間が長いです。
今すぐカラーをしたいと思っても予約が空いてない場合があります。
定期的に行かないといけないし、事前の予約も面倒です。
自分の好みをわかってもらえる美容師を探すのが大変、こんな色にしたいと伝えるのが難しい、そもそも話をしたくないという方もいます。
まとめ
その後の髪の状態を考えると、なるべく美容室で染めてほしいというのが本音です。
美容室では細かな所まで気をつけながらカラーをしていることがわかったと思います。
どうしても行けない時は顔まわりや分け目ぐらいにしておきましょう。
最近カラー専門店などもありますが、デザインやカラーの仕上がりを考えなければありな気もします。
個人的には、短時間で明るくなど、頭皮や髪にはダメージはどうなのかなと思いますが。
市販カラーはパーマやストレートパーマをしたい方はできなくなってしまうことが多いです。
今よりキレイを作る為に美容室でのカラーとケアをしていきましょう!
メリット、デメリットを考えた上でカラーを楽しみたいですね。