日焼けが気になる季節がやってきましたね。
最近は女性だけでなく男性も日に焼けるのが嫌だという方も少なくありません。
しかし紫外線に当たるというのは日焼けだけでなく実は怖い影響があるんです。
今回は知ってほしい紫外線の基礎知識を記事にしました。
正しく理解し、きちんと対策することで、いつまでも若々しく美しい肌や髪を保つことに役立てていただければと思います。
紫外線についてこちらの過去記事も是非お読みください!
目次
紫外線による老化について
まずはこの写真をご覧ください。
出典元:http://karapaia.com/lite/article/52102439/image/1146718
この方はトラックの運転手をされていました。
28年間ずっと運転手をし、顔の左側に日射しを受け続けた結果、肌が「老化」してしまったのです。
紫外線と老化、一見関係が無いように聞こえますが実は老化にも2種類あるんです。
年齢を重ねることで生じる自然な老化とは異なり、太陽光を長時間・無防備に浴び続けることで起こります。
それが「光老化」です。
肌の色がくすんだり、張りがなくなってきてシミ・シワ・たるみとして現れてきます。
更には皮膚ガンが生じることもあります。
紫外線とは
出典元:https://weathernews.jp/s/topics/201904/210075/amp.html
上の画像は太陽から届く光の種類を図に表したものです。
右から左にいくにつれ波長が短くなっています。
太陽の日差しは波長の長さにより分けられ、長い方から赤外線(42%)、可視光線(52%)、紫外線(6%)に大別されます。
更に紫外線の中でも波長の長い方からA・B・Cに分けられます。
紫外線は、波長が長いほど皮膚の奥まで入り込む性質があり、波長が短いほど人体に有害という特徴があります。
また、可視光線の一部であるブルーライトや近赤外線も光老化に関係しています。
ですので屋外だけでなく屋内で使用するスマホやパソコン・タブレットのブルーライトやテレビ・リモコン・電球・こたつなどの近赤外線にも注意が必要です。
余談ですがUVはultra-violet(ウルトラバイオレット)の略称です。
今回の記事では紫外線の危険な部分について多く取り上げていますが、殺菌消毒・ビタミンDの合成・生体に対しての血行や新陳代謝の促進・皮膚抵抗力の昂進などの有用な作用もたくさんあります。
有効な作用はうまく使い、有害な作用はケアをし上手く付き合っていくことが大切です。
UV-A
地表に届く全紫外線のうち約95%を占めます。
UV-A自体のエネルギーは強くないものの、照射量が多く、浸透力が高く真皮層まで到達するので注意が必要です。
長波が長く、浴びたUV-Aの20~30%が真皮層まで到達すると考えられています。
またUV-Bによって生成されたメラニン色素を酸化させ褐色に変化させる作用もあります。
- 波長が長く、肌の奥の真皮まで届く
- 窓やガラスがあっても約85%は透過する
- 赤みや炎症が起きにくく、遅効性の症状が多いため自覚しにくい
- 黒くなる日焼けの原因
UV-B
地表に届く全紫外線のうち約5%を占めます。
おもに肌の表面で吸収されるため肌の奥の真皮層まで到達することはほぼありませんが、UV-Aより強いエネルギーを持ちます。
UB-Bは表皮に影響をあたえ、細胞を損傷して火傷のように赤くなったり、シミやそばかすのや原因となります。
いわゆる赤くなる日焼けはこのUV-Bによる影響です。
- 波長が短く、表皮に影響する
- 肌に強く作用し、多量に浴びると赤く炎症を起こす
UV-C
波長が短く強い殺菌作用があり、生体に対する破壊性が強いです。
殺菌ライトなどに使われているのがこのUV-Cです。
人体にとっては非常に有害な紫外線ですが、地球の大気による吸収が著しくオゾン層に守られている地表まで到達することはありません。
しかし、オゾンホールが発生している地域ではその危険性が危惧されています。
- 紫外線の中では波長が最も短く、生体には非常に有害
- 大気による吸収が著しくオゾン層を通過できない
- 殺菌作用が強い
紫外線の性質
太陽から地球に到達した紫外線は、オゾン層、空気分子、エーロゾル(大気中の浮遊微粒子)、雲などの吸収・散乱の影響を受けて次第に減衰します。
地表に到達する紫外線量を決める要素は以下の通りです。
太陽の高度
紫外線量に特に大きく影響する要素です。
高度と聞くと分かりにくいかもしれませんが、要は季節と時間です。
下記のグラフを見ていただいてもわかるように、一日の中では正午頃、一年の中では夏至前後に最大となります。
出典サイト:https://www.jma.go.jp/jma/index.html
オゾン層
オゾンは紫外線を吸収する性質があるため、上空のオゾン層が少なくなると地上に到達する紫外線量は多くなります。
あまり知られていないかもしれませんが、オゾン量は季節によって変化しています。
下の表は月別のオゾン量のグラフです。
地域によって量の差はありますが、大まかな傾向としては春ごろにピークを迎え、冬になるにつれて減少していきます。
出典サイト:https://www.jma.go.jp/jma/index.html
雲
雲は太陽光を遮るため、雲量や雲の状態によって変化します。
要は天気によって影響を受けるということです。
よく「曇りの日でもUV対策をしたほうが良い」という話を聞いたことがある方も多いと思います。
快晴時と比べて4割程度しか軽減されていないことが、下記のグラフを見ていただくとお分かりいただけるかと思います。
出典サイト:https://www.jma.go.jp/jma/index.html
エーロゾル
エーロゾルとは大気中に浮遊する個体または液体の微粒子のことで、大気汚染物質等を起源とする硫酸エーロゾル、海水が風で巻き上がってできる海塩粒子、化石燃料等の燃焼によるすす、黄砂などがあります。
エーロゾルは太陽光を散乱・吸収するため地上に到達する紫外線量を減少させます。
散乱光
太陽から地上に到達する光には直射光と散乱光があります。
散乱光とは下の図のように、光が空気中のエーロゾルや雲などにあたり、その進行方向が変化し地上に到達する光のことです。
また光の波長が短いほど散乱しやすいという性質があります。
晴天時の空が青く見えたり、宇宙船から見た地球が青いのは、可視光線の中で波長の短い青色の光が強く散乱されるためです。
出典サイト:https://www.jma.go.jp/jma/index.html
下の図は一日のなかで地上に到達する紫外線の量を直射光と散乱光の比率を表したものです。
これを見ていただくと地上に到達する紫外線の中で散乱光の寄与が直射光より大きいことが分かります。
つまり日傘や帽子で日射しを遮ったり日陰にいても空が見える場所では目で感じる以上に紫外線を浴びていることになります。
ですがもちろん日傘や帽子、日陰にいることは直射光は防げているので効果がないわけではありませんが、散乱光にも注意が必要ということです。
出典サイト:https://www.jma.go.jp/jma/index.html
地表面の反射
出典サイト:https://www.jma.go.jp/jma/index.html
屋外にいる人は上空から地上に向かう紫外線だけでなく地表面で反射された紫外線も浴びています。
地表面での紫外線の反射の割合は地表面の状態により大きく異なります。
よくスキー場で日焼けをしてしまうのは、この反射による紫外線を浴びているためです。
この反射による紫外線についても、日傘や帽子のみの対策では不十分だということがわかると思います。
地表面から反射してくる紫外線についても忘れずに総合的な対策を取ることが大切です。
出典サイト:https://www.jma.go.jp/jma/index.html
その他の要素
その他には標高や地域によっても異なります。
例外はありますが、一般的には標高が高くなると強くなり、日本の場合南へ行くほど強くなる傾向にあります。
まとめ
ここまで紫外線の基本情報についてご説明してきました。
次回は紫外線による肌や髪への影響とその対策についてご説明したいと思います。
ぜひお楽しみに!!