汗をかいたときの嫌なにおい、気になりますよね。
まだまだ暑い日が続くので、もうしばらくはにおい対策が必要になりそうです。
ところで、汗が臭い人とそうでない人がいますが、いったい何が違うのでしょうか?
じつは汗のかき方や、食生活を見直すことで嫌なにおいを抑えることが出来るんです!
今回は汗の基礎知識とにおいの種類、臭いの対策法について徹底解説していきます!
目次
汗にも種類がある!?
汗は、皮膚にある汗腺という器官から出てきます。
汗腺とは皮膚にある汗を分泌する腺のことで、汗腺には2種(エクリン腺、アポクリン腺)が存在します。
エクリン腺
人間のほぼ全身の体表面に分布している汗腺です。
汗のほとんどは、エクリン腺からでています。
エクリン腺からの汗(エクリン汗)は99%が水で、他は塩分やアミノ酸、尿酸などになります。
におい
なし
色
無色
部位
全身のほとんどの皮膚表面
特徴
体温が上がった時、精神的に緊張した時などにかく。発汗直後は無臭。汚れがつき時間と共に菌が繁殖してにおいが発生する。
アポクリン腺
思春期以後に発達し分泌物は体臭のもとになります。
特有のにおいがあり、特ににおいが強い場合を「わきが」と呼びます。
におい
ほとんどなし
色
乳白色
部位
脇の下、乳首、下腹部などの毛穴に向けて開口する
特徴
思春期に活動が盛んになる。
汗をかく3つの要因
汗が出るきっかけになるのは、体温調節のほかに緊張した時や驚いた時などの精神的なものと辛い食べ物など味覚からくる3つがあります。
また、脇はエクリン腺とアポクリン腺が共存し、温熱性発汗と精神性発汗が両方起こる特殊な場所になります。
①温熱性発汗
暑いときや運動した時に、上昇した温度を下げる為の汗です。
手のひらや足の裏を除く、全身から持続的に発汗。
暑い時や運動をした時に激しい運動を行うと、1時間に2リットルほど汗をかきます。
汗腺の種類:エクリン腺
②精神性発汗
人前に出て緊張した時、驚いた時に出る汗で、「手に汗をかく」「冷や汗をかく」といった場面になります。
精神的な刺激にともなって出ることから精神性発汗と呼ばれます。
汗が出る部位は手のひら、足のうら、脇の下など限られた部位で短時間に発汗するのが特徴です。
汗腺の種類:エクリン腺、アポクリン腺
③味覚性発汗
香辛料が効いた辛い物を食べた時に鼻や額などにかく汗。
味覚の刺激によって反射的に起こるもので、食べ終わると汗もひきます。
汗腺の種類:エクリン腺
汗のにおいについて
汗はもともと無臭!
汗そのものには、ほとんどにおいがありません。
においを発生させる犯人が「菌」です。
皮膚には皮膚常在菌と呼ばれる複数の菌が住み着いていますが、汗をかくと皮膚が湿ってこれらの細菌が増殖しやすくなります。
増殖した細菌が汗の成分や皮脂や垢を分解したときに出る「分解臭」や、汗の成分に含まれている鉄イオンによって皮脂が酸化したときに出る「酸化臭」がにおいの原因になります。
また、アポクリン腺から出る汗からも細菌の分解によってにおいが発生します。
これが「わきが臭」となります。
疲労やストレスが汗のにおいの原因になることも
先ほど、汗そのものは無臭という話をしましたが、例外もあります。
疲労やストレスなどによって血中のアンモニア濃度が高くなると、かいた汗と混じりあってツンとしたにおいを発するのです。
「疲労臭」「ストレス臭」とも呼ばれています。
運動でかく汗よりストレスや緊張でかく汗のほうが、においの成分がきついので臭くなりやすいです。
思春期の汗のにおい
「子供の時はにおいが気にならなかったのに、最近気になるようになった!」という声を聞いたことがあります。
その強い汗臭いにおいの原因は、アポクリン腺です!!
アポクリン腺は脇の下などにある汗腺で思春期の頃から発達していきます。
小さい頃は、運動して全身汗びっしょりになってもあまり臭くないのに中学生、高校生になってくると臭くなってくるのはそのせいです。
男子も女子もアポクリン腺から出る汗が臭くなるのは同じです。
しかし、男子のほうが筋肉量が多く、代謝が良いのと運動量も多いので発汗量が段違いに多いです。
そのため女子よりも男子のほうがにおいがきついです。
においの対策法
有酸素運動でサラサラ汗を目指そう!
日頃からあまり汗をかかない生活をしている方は、汗腺機能が弱まり、ベタベタしてにおいがきつい汗出やすくなります。
毎日の入浴やウォーキングなどの有酸素運動で汗をかくことで汗腺を鍛えて、においの少ないサラサラ汗を目指しましょう!!
生活習慣を見直そう
汗のにおいは生活習慣を見直すことで、多少軽減することができます。
- 油の多い肉類や、揚げ物などの脂っぽい食べ物は皮脂の分泌を促し体臭に繋がります。肉や油もの中心の食生活にならないように心がけましょう。
- 汗をかいたら即シャワーをすることで、汗に雑菌が発生して臭くなることを防げます。シャワーが難しい時なら、水で濡らしたタオルなどで体を拭くだけで全く変わってきます。
まとめ
汗のにおい対策として制汗スプレーなどを使うのもいいですが、一番大事なのは日頃から運動して汗腺を鍛えたり、汗をかいた後はすぐにシャワーを浴びたりと、根本から問題を解決することです。
また、ストレスや疲労が溜まると、血中のアンモニア濃度が高くなるのでにおいもきつくなってしまいます。
日常生活のなかで、なるべくストレスを溜めず、脂っぽい食べ物を控えるように心がけて下さいね!!