「カラダにいいから、これ食べよう」
「ダイエット中だから、これは控えよう」
そう思ったこと、ありますよね。
私たちのカラダは、食べたものからできているのでそう考えるんです。
栄養士をしていた私が、美容師になりお客様の’キレイ’に関わってきました。
美容室でするカラーやトリートメント、化粧品、シャンプーにこだわることも美容です。
ですが、見た目のキレイをつくるには、カラダの内側から考えることも大切です。
食べることに注目するとあなたの目指す美容や健康も、もっと近づくはずです。
これから何回かに分け、美容と健康を’食’からの目線でお話していきます。
まずはどうしても知っておいていただきたいカラダのことをテーマにします!
カラダをつくるために食べて、それを消化・吸収してくれる腸について。
その役割を知っていると美容や健康とのつながりが、ちょっとおもしろくなるかもしれません。
目次
腸のはたらき
「第二の脳」とも呼ばれる腸
腸の神経細胞は、約1億個。これは脳の次に多いんです!
腸のコントロールはすべて脳がしているのではなく腸が自分で判断するときもあります。
脳と腸 双方向ネットワーク
脳と腸のやりとりは脳からの一方通行ではなく、腸からも脳にメッセージを送ります。
腸内からの情報が脳へ伝えられ、そこからカラダのあらゆる場所に影響が出ます。
ほかの臓器とのネットワーク
腸は、脳だけでなくほかの臓器ともつながり、影響し合っています。
それぞれの臓器とコミュニケーションをとりながら体内機能のバランスを保ちます。
つまり腸を理解し、腸を整えることは全身の美容や健康につながるということです!
腸の特徴
腸内の環境を左右する「腸内細菌」腸の中で、食べ物をエサにして生きています。
はたらきによって善玉菌・悪玉菌・日和見菌に分かれます。
いい腸内は善玉菌の割合が多く、さらに菌の種類が多いことも重要で腸のバリア機能を高め、免疫力アップにつなげます。
善玉菌
カラダに良い影響を与えます。
消化・吸収に役立ちバランスのいい食事が大好きです。
悪玉菌
カラダに悪い影響を与えます。
便秘や下痢をひきおこし有害な毒素をつくります。
高脂質・高カロリーの、偏った食事が好物です。
日和見菌
腸内細菌の70%を占めます。
善玉菌・悪玉菌のうち、数的に優位な方の味方をします。
不調と腸内の関係
腸の長さは約7.5〜8.5mと、身長の5倍くらいあるんです!
面積にするとテニスコート1面分にもなります。
その腸の調子がわるくなるとカラダはいたるところで悲鳴をあげます。
そんな不調をいくつかあげてみます。
便秘
運動不足・強いストレスが原因で大腸のぜん動運動が弱まり便を先におくれず水分をどんどん吸収し、便がかたくなる。
下痢
腸の動きが過剰に活発になり水分の吸収が不十分になる。
食欲不振
ストレスで交感神経が過剰にはたらいたり、腸の不調により満腹中枢が刺激され、胃のふくらみが悪くなる。
肥満
‘太らせ菌’とも呼ばれる’ファーミキューテス'(腸内で栄養を吸収しすぎる菌) の増殖で栄養素を過剰に吸収。
生理痛
腸内環境の悪化で女性ホルモン’エストロゲン’ 減少し女性ホルモン効果のある’エクオール’を腸内細菌がつくれない。
肌荒れ
悪玉菌が増加し、有害物質をつくり出す。
その有害物質が血流にのり、全身へ送られる。
むくみ 冷え性
運動不足・長時間の姿勢維持で腸内の悪玉菌が増加し、腸の血流やリンパが滞る。
腰痛
腸内環境のバランスが乱れると、腸管神経がまわりの筋肉を緊張させ痛みが生じる。
肩こり
腰痛と同様にまわりの筋肉を緊張させるため、腹部の痛みや張りから、姿勢がわるくなり肩周辺の筋肉も緊張する。
不眠
腸内の不調により、自律神経が乱れ就寝時間以降も消化作業が続いたりし、睡眠を妨げる。
自律神経の乱れは、悪玉菌も増やす。
慢性疲労
腸内環境の悪化が体内の活性酸素を増やし、疲れやすくなる。
イライラ
腸内環境の悪化で’セロトニン’ (‘楽しい”幸せ’と感じる時に脳から出るホルモン) の分泌が減少。
興奮を促すドーパミンやノルアドレナリンが暴走。
ちょっとしたストレスでも怒りを抑えられなくなる。
無気力
強いストレスによりセロトニンやストレスホルモンが過剰に分泌
そうすると、イライラの反対でドーパミンやノルアドレナリンのはたらきが低下し行動する意欲が生じにくくなる。
アレルギー 感染症
免疫細菌の約60%が、腸内に存在する。
腸内細菌のバランスが悪化すると腸管免疫系の機能低下。
そうすると病原性細菌の認識に誤りがでる。
食べて改善
上にあげた中で、あてはまる項目のあった方。
もしかしたら食生活による腸の不調かもしれません!
美容や健康を維持するうえで腸内環境をよい状態に保つことはとても大切です。
加齢とともに腸内のバランスも崩れやすくなります。
食生活、生活習慣、運動やマッサージなど見直すことで、腸は整います。
中でも大きな影響を与えているのが食事です。
腸内細菌は食べ物をエサにしますから食事によって腸内細菌を善にも悪にもするんです。
善玉菌のエサとなる栄養を増やし善玉菌を成長させる食事を心がけたいですね!
そこで強い味方になってくれる食品をご紹介します。
発酵食品
みそ、納得、ヨーグルトなど
水溶性食物繊維
海藻、野菜、果物など
オリゴ糖
はちみつ、バナナなど
EPA・DHA
青魚、アマニ油など
(体質によっては調子が悪くなる人もいます)
次回からは上にあげた腸の強い味方になる食品を含め、美容と健康のためにもなる食べ物について具体的にお話していきます。
腸の不調が気になる方はぜひ参考にしてください!