小豆、食べていますか?
和菓子やパンに使われる甘いあんこのイメージがありますね。
その甘さやカロリー、糖分を気にされ、食べたくても自分へのご褒美の時だけ、と制限される方もいらっしゃると思います。
たしかに、砂糖たっぷりのあんこや菓子類の食べ過ぎは、よくありません。
ですが、小豆そのものについて見てみますと、体にいい効果があります。
食べ方を工夫することで、甘いだけじゃない、小豆のパワーを取り入れることができます。
そこで今回は、小豆についてお話したいと思います。
目次
小豆の有効成分
カリウム
体内の水分、塩分のバランスを整えます。
多すぎる水分や塩分を、体の外に排出し、むくみを解消したり、血圧を安定させる効果があります。
ビタミンB
体内の糖質を燃焼させて、エネルギーに変え、脂肪をつきにくくします。
疲労回復や、体の冷えを取るはたらきもあります。
ポリフェノール
抗酸化作用があり、老化防止効果があります。
体内の活性酸素を無害化することで、細胞を守ったり、肌のハリや潤いを保ちます。
ここで残った酸素は、活性酸素になり、細菌やウイルスと闘うなど必要な役目があります。
ですが、過剰に発生すると、細胞を傷つけてしまい、生活習慣病の発症に関わることもあります。
食物繊維
食物繊維は、糖質の吸収をゆるやかにし、血糖値の急上昇を防ぎます。
そうすることで、糖尿病の予防につながります。
食べ過ぎなどで血液中に糖が増えると、インスリンが分泌されます。
インスリンは糖を脂肪に変え、蓄積されます。
食物繊維により、糖質の吸収率は抑えられるので、肥満防止にもなります。
食物繊維には、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維があります。
食物繊維は、体内で吸収されず、腸まで運ばれ、腸内環境を整えます。
小豆の食物繊維の9割は、不溶性食物繊維です。
不溶性食物繊維
便秘改善や大腸がん予防に役立ちます
水溶性食物繊維
腸内をゆっくり移動するため、腹持ちがよく食べ過ぎを防ぎます
レジスタントスターチ
小豆は茹でることにより、含まれるでんぷんが、レジスタントスターチ(難消化性でんぷん)に変化します。
消化酵素で分解されにくいでんぷん(糖質)で、食物繊維と同じような働きをします。
不溶性と水溶性、両方の食物繊維の声質を持っているので、腸の動きがよくなり、排便の促進と同時に、善玉菌を増やし、腸内環境を改善する効果があります。
サポニン
えぐみや渋みの成分です。
コレステロールや中性脂肪を減少させ、肝臓のはたらきが低下しないよう助けます。
抗酸化作用もあり、老化防止効果も期待できます。
アントシアニン
外皮の赤い色素で、目の疲れや視力向上に役立ちます。
ナイアシン
ビタミンの一種で、糖質・脂質・たんぱく質の代謝に不可欠な栄養素です。
血行をよくし、代謝を高めます。
小豆の効果
むくみ解消
体内に、余分な水分や塩分があると、むくみの原因になります。
小豆に含まれるカリウムが、体内の水分や塩分のバランスを整え、足のむくみだけでなく、顔のむくみの改善にも効果があります。
ポッコリお腹が気になる方も、むくみのせいかもしれないので、改善できるかもしれません。
高血圧予防
水分の代謝がよくなると、血液循環も改善されます。
血圧も安定するので、高血圧予防につながります。
肥満予防
エネルギーとして使われなかった糖は、脂肪になり、蓄積されて肥満につながります。
小豆に含まれるビタミンBが、体内の糖や脂肪の代謝を促進し、エネルギーに変えるので、ダイエットにも向いています。
小豆には食物繊維も豊富です。
茹でることで、食物繊維と同様の働きをする、レジスタントスターチも含まれます。
食物繊維の働きによって、糖の吸収をゆるやかにし、内臓脂肪のもととなる中性脂肪を増やしにくくします。
老化予防
体内で発生する活性酸素は、細胞をさびつかせ、新陳代謝を低下させます。
臓器や血管が傷つくと、生活習慣病のリスクが高くなります。
肌のシミやしわの原因にもなります。
小豆に豊富に含まれるポリフェノールは、活性酸素を除去するので、老化の進行を遅らせることができます。
腸内環境の改善
小豆に含まれる食物繊維やレジスタントスターチには、便秘を解消し、老廃物や有害物質を除去するデトックス効果もあります。
腸内環境が整うことで、肌の調子がよくなったり、免疫力がアップします。
むくみや冷えの改善や、イライラが解消にもつながります。
取り入れ方
有効成分を効率よく取り入れる方法を紹介します。
無糖のゆで小豆を食べる
砂糖などが入っていない、甘くない茹でた小豆です。
茹でることで、ポリフェノールやビタミンは、煮汁に出てしまいますが、食物繊維は豊富です。
茹でるだけなので、簡単に作れます。
市販のものもあるので、手軽に始めることができます。
そのまま食べてもいいですし、甘くないので、料理に加えても邪魔しません。
サラダやスープに入れたり、ひき肉料理に混ぜ込んでしまうこともできます。
ハンバーグや餃子、ミートソースなどに、ひき肉の代わりに使うと、低カロリー、低脂肪になります。
たんぱく質 8.9g
脂質 1.0g
炭水化物 24.2g (そのうち食物繊維 11.8g)
小豆の煮汁を飲む
えぐみがありますが、栄養成分をのがさず取り入れることができます。
煮汁を作る際にできるゆで小豆も、食べることができます。
鍋で煮る
水と小豆を鍋に入れ、火をつけ沸騰させます。
あんこを作る時には「ゆでこぼし」といい、沸騰したお湯を一度捨て、新しく水を入れてまた煮ます。
今回の煮汁というのは、ゆでこぼさず、最初に入れた水のままで煮た汁です。
水を沸騰させ、洗った小豆を入れ、弱火にし、水の量が2/3くらいになるまで煮ます。
30分〜1時間、弱火で煮たら出来上がりです。
冷めたら冷蔵庫で保存し、早めに飲んでください。
小豆もやわらかくなり、消化もよく、食べやすいです。
割合は、小豆100gに対し、水1500〜2000mlくらいが目安です。
毎食前に、コップ1杯飲むのが目安です。
ライフスタイルに合わせ、朝と夜だけにしたり、体調を見ながら調節してください。
少しえぐみがあるので、そのままだと飲みにくい場合もあります。
コンソメや塩を加え、スープのようにすると、続けやすいです。
また、少量の砂糖を加え、しるこのようにしてもいいでしょう。
保温用ポット(500ml)を使う
洗った小豆50g、熱湯500mlを保温用ポットに入れ、8時間以上おきます。
この時、ポットを横にねかせておきます。
時間がたったら、この汁を飲むだけです。
火も使わず、簡単です。この量が、1日分です。
汁を飲んだ後の小豆も、食べることができます。
ですが、鍋で煮たときほど、やわらかくありません。
かたいまま食べると、消化がわるく、お腹をこわす可能性があります。
もう少し時間をおいて、やわらかくなるまで待ってから食べるか、小豆の粒だけ別の料理に使うなどする必要があります。
ゆで小豆の使い方と同じです。
ごはんを炊くときに一緒に入れて、赤飯や雑穀ごはんのように食べてもいいです。
保温用ポットの内側に、小豆の色が付きやすいので、ご注意ください。
まとめ
古くから、漢方や薬膳に取り入れられてきた小豆です。
日本でも、ハレの日に小豆を入れた赤飯を食べたり、冬至にかぼちゃと一緒に小豆を食べるなどの習慣が残っています。
縁起を担ぐだけでなく、健康を保つためにも、上手に取り入れていたのです。
食事の基本は、バランスよく適量を、です。
生活の中に、うまく取り入れて、小豆の効果を実感してください。